寂しい所へ行って

マコ6:31「そこでイエスは彼らに、「さあ、あなたがただけで、寂しい所へ行って、しばらく休みなさい」と言われた。人々の出入りが多くて、ゆっくり食事する時間さえなかったからである」
弟子たちが選んだ場所は、舟に乗ってしばらくの場所でした(32)。対岸だったかもしれません。おそらく舟の上で食事ぐらいはできたものと思われます。それは、群衆に食事をさせようとしたときに、弟子たちの手元に残っていたパンが5つしかなかったことから推測できます(38)。それでも癒しを求める群衆の飢え渇きのほうがまさっていました。気が付いたら時間も遅くなり、場所も弟子たちが最初に計画していた「寂しい」場所だったので、戻るにしてもかなりの時間が必要でした。聖書では「へんぴな所」と書かれています(35)。「へんぴ」のギリシャ語「eremas(エレマス)」には、「荒れ果てた」とか「砂漠」の意味もあります。とにかく普段あまり人の集まるような場所ではなかったのです。寂しい所ででし ばらく休むという当初の思惑は、突然大給食の給仕に変わってしまいした。「人はパンだけで生きるのではない(マタ4:4)」と言われたイエス様は、パンも必要だということを理解しておられました。弟子たちはあまり休息は取れなかったものの、それに勝る大きな奇跡を見ることができたのです(38-42)。