その子がイエスを見ると

マコ9:20「そこで、人々はイエスのところにその子を連れて来た。その子がイエスを見ると、霊はすぐに彼をひきつけさせたので、彼は地面に倒れ、あわを吹きながら、ころげ回った」
この「口をきけなくし、耳を聞こえなくする霊(25)」は、なかなかしたたかな霊です。これ以前に出てきた霊は「いと高き神の子(5:7)」とか、「あなたこそ神の子です(3:11)」などと、イエス様と争う形跡はありませんでした。しかし、この霊はイエス様を見るなり、子どもを引き付けさせ、地面に倒れさせ泡を吹かせてたのです。イエス様と知っての悪行なら、かなりたちの悪い霊だと言えます。さらに、この霊はイエス様から出て行けと命じられた後も子を激しくひきつけさせて出て行っています(26)。 神の前であっても礼儀をわきまえないような霊だからこそ、弟子たちの追い出しには応じなかったのだと思います(18)。イエス様はいつごろからこの子が霊につかれたのかを聞き、「幼いころ」からだと答えています(21)。何年もの間、イエス様に言われるまで父には神に頼る信仰心がなかったのです(23)。父の「おできになるものなら(22)」という言葉の中に、彼の信仰心がすべて現れていると思います。弟子たちもだめだったように、今回もだめなのか…という信仰では、どんなに願っても神は受け入れてくれないでしょう。