ベニヤミンに属するとみなされていた

2サム4:2「サウルの子イシュ・ボシェテのもとに、ふたりの略奪隊の隊長がいた。ひとりの名はバアナ、もうひとりの名はレカブといって、ふたりともベニヤミン族のベエロテ人リモンの子であった。というのは、ベエロテもベニヤミンに属するとみなされていたからである」
ベエロテの名前は確かにベニヤミンの相続地です(ヨシュ18:25)。「ベニヤミン領と考えられる(新共同訳)」や「ベニヤミンのうちに数えられている(口語訳)」と書かれているのは、「ギタイムに逃げて、寄留者となった(3)」とあるように、何かの理由で相続地を離れなければならず、そのため相続地を捨てた人たちと考えられていたからです。その理由はわかりませんが、ベニヤミン領の彼らがベニヤミン出身の サウルの子イシュ・ボシェデに良い印象を持っていなかったのは確かです。できれば勝ち馬に乗って、ダビデ側に寝返りたいと願っていたのだと思います。「主は、きょう、わが主、王のために、サウルとその子孫に復讐されたのです(8)」とは、いかにもダビデが好みそうな歯の浮くような言葉です。こんなところで神の名前を出したところで、いつも主の前にひざまずき祈るダビデに通用するはずありません。サウル家とは対立関係にありましたが、イシュ・ボシェテの命まで奪うつもりはなかったのだと思います。何でもかんでも敵さえ打ち破ればよいわけではありません。