ツロの王ヒラム

2サム5:11「ツロの王ヒラムは、ダビデのもとに使者を送り、杉材、大工、石工を送った。彼らはダビデのために王宮を建てた」
ツロは歴史や地理の教科書などでは「ティルス」と表示される方が多いようです。新共同訳は「ティルス」です。ダビデにはペリシテのようにいつも敵対する相手もいましたが、ヒラム王のようにいつも友情を保っていた関係もありました(1王5:1)。現在ではレバノンに属するツロ(ティルス)はユネスコ世界遺産にも登録されており、遺跡は観光地になっています。ダビデは結局、自分の王宮は建てましたが、神の神殿は建てられませんでした。それはナタンを通じて神から建ててはならないと禁じられたからです(7:7:-11)。ダビデに代わってソロモンが神殿 を建てました(1王7章)。そのとき、ヒラム王がダビデの友情のゆえに息子ソロモンに多大な援助をしたことも聖書に記されています(1王5:8)。聖書にはもう1人の「青銅の細工師」のヒラムという同名の人物がいますが、こちらは同じツロ出身ですが「ナフタリ族のやもめの子(1王7:14)」とあるので別人だとわかります。この二人のヒラムはともに神殿建設に大きな貢献をし、二人の活躍がなければ主にふさわしい神殿が造られなかったでしょう。