ヤシャルの書

2サム1:18「この弓の歌をユダの子らに教えるように命じた。これはヤシャルの書にしるされている」
ヤシャルの書には、ヨシュアが太陽と月を留めたことが書かれています(ヨシュ10:12)。さらに、ダビデが代々歌い続けるように教えた「弓の歌」もヤシャルの書に記されている、とあります。聖書には名前だけが登場する不思議な書がいくつも登場します。「主の戦いの書(民21:14)」「預言者シェマヤと先見者イドの言行録(2歴12:15)」「ハナニの子エフーの言行録(2歴20:34)」など、調べればもっとあるでしょう。旧約では一度もしゃべったことのないエノクが新約では預言したことになっています(ユダ14)。また天使ミカエルはモーセの遺体のことで悪魔と言い争った、とありますが(ユ ダ9)、旧約にはそんな記述はありません。ユダは明らかに「エノク書」「モーセの昇天」という書物を参考にしています。そういった、外典、偽典とはまた別の書物は実際に存在し、少なからず聖書の筆者たちに影響を与えたことは否定できません。しかし、「神のことばにつけ足しをしてはならない(箴30:6)」という大原則に沿うならば、書の名前だけを心に留め、詮索しないのも神のみ心なのではないでしょうか。