2サム19:23「そして王はシムイに、「あなたを殺さない」と言って彼に誓った」
シムイはベニヤミン出身でダビデがアブシャロムから逃げるときに、ダビデの一行を呪ったり、石を投げたりしてついて来た男です(16:5-9)。本来ならすぐにでも捕らえられ、首をはねられるところですがダビデは「彼がのろうのは、主が彼に、『ダビデをのろえ』と言われたからだ(16:10)」と背後に主が働いていることを知り、彼をそのままにしておきました。アブシャロムが死にダビデがヨルダン川を渡るころ、シムイは千人のベニヤミンを連れダビデを迎え「どうか私の咎を罰しないでください(19)」と懇願しました。今度もまたダビデはアブシャロムの喪中だからという理由で彼に手を下しませんでした( 22)。しかし、シムイがこれで聖書から消えたわけではありません。年月が過ぎダビデが死ぬときに、後継者ソロモンに「彼にどうすれば彼のしらが頭を血に染めてよみに下らせるかを知るようになろう(1王2:9)」とソロモンに彼の処遇をゆだねるのです。結局ソロモンの命によりシムイは殺されます(1王2:46)。ダビデは約束を守りましたが、油注がれた者を呪った者を死に際まで覚えていたのです。
