支配者はその中から出る

エレ30:21「その権力者は、彼らのうちのひとり、その支配者はその中から出る。わたしは彼を近づけ、彼はわたしに近づく。わたしに近づくためにいのちをかける者は、いったいだれなのか。―主の御告げ―」
「権力者」に使われているヘブル語「addiyr(アディア)」は、「高貴な」とか「荘厳な」という意味があります。「崇高なるお方」とも訳せ、支配者つまり統治者となる人は、「彼らのうちのひとり」から出ると書かれています。「彼ら」は前節の「その子たち(20)」のことで、ユダとベニヤミンとレビ族、すなわちユダ国にいた民族の子孫の誰かです。多くの聖書研究者はこれをメシヤ預言と位置づけ、エレミヤの中にもイエス様のことに触れられていると考えています。自分の 命を投げ出し、人間の罪を贖うために十字架にかかった方は歴史上ひとりしかいません。エレミヤによれば、それは自分のためでも人のためでもなく、「わたしに近づくため」だと書かれています。しかし、イエス様の死因は、罪を背負った瞬間に父なる神から一瞬目を離されたことによる、心臓破裂によるショック死だとされています。その後、イエス様は天に昇られ、もろもろの権威と権力を従えて神の右の座におられるとペテロは伝えています(1ペテ3:22)。この預言の「いったいだれなのか」という問いに、答えはもう出ています。