家へ帰りなさい

1王1:53「それから、ソロモン王は人をやってアドニヤを祭壇から降ろさせた。彼がソロモン王の前に来て礼をすると、ソロモンは彼に言った。「家へ帰りなさい」」
アドニヤだけでなくヨアブも祭壇の角をつかんでいます(2:28)。祭壇ではいけにえが捧げられ、角には罪が贖わるためのいけにえの血を塗ることが決められていました(レビ4章)。祭壇の角は罪の赦しの象徴であり、角は一種の「贖い」のシンボルでもあったようです。その角を握ることにより「赦された」というパフォーマンスをして見せたのでしょう。ソロモンは「彼のうちに悪があれば、彼は死ななければならない(52)」と言いましたが、すぐには判断せずそのまま家に帰したのです。しかし、アドニヤはしばらくし てダビデのそばめのアビシャグを欲しがりました(2:17)。父のそばめを持つことは王位を継承した者だけに与えられた特権です。これを破ったのがアブシャロムでした(2サム16:22)。しかも、アビシャグはダビデと関係を持たなかったので処女で(4)、しかも国中の中のとびきりの美人だとあります(3)。王の地位と若くて美しいアビシャグを得る、一挙両得の作戦でしたが、ソロモンにすぐに見破られてしまいます。その日のうちにアドニヤは殺されました(2:25)。