ろばと、ろばの子とを連れて来て

マタ21:7「そして、ろばと、ろばの子とを連れて来て、自分たちの上着をその上に掛けた。イエスはそれに乗られた」
共観福音書すべてにこの逸話が書かれており、マタイだけはろばの親子を連れてきたと伝えています。それはおそらく、まだ親から乳離れしていない子ろばが不安にならないように配慮されたのだと思われます。ろばはバラムの愚かなふるまいを改めるためにしゃべったことが民数記にあります(民22:30)。サムソンはろばのあご骨で1000人を打ち負かしました(士15:15)。また、王や家主はろばに乗って移動しており、しもべや家来がそれにつき従いました(2サム16:2など)。ほかにもろばが聖書の中で果たす役割は地味ではありますが、神の計画が働いていることがわかります。ときに主によってしゃべり、王を運び、たとえ骨になってもさらに用いられる様子は単なる小動物の域を超えていると言えるでしょう。何よりもイエス様を乗せた子ろばは、イエス様に直接触 れられ癒された人に匹敵する幸運な子ろばだと言えます。それもイエス様を運ぶために産まれ、その時になるまで傷もしみもない状態を保っていたのです。