アハブの娘が彼の妻であった

2王8:18「彼はアハブの家の者がしたように、イスラエルの王たちの道に歩んだ。アハブの娘が彼の妻であったからである。彼は主の目の前に悪を行なったが」
イスラエルのヨラムとユダのヨラムはある時期重なっているのでちょっと混乱してしまいます。アハブの娘アタリヤを妻にしたのはユダ国のヨラムです。アハブはオムリの子で(1王16:28)、彼の妻は悪名高きイゼベルです(1王16:31)。イゼベルは民から嫌われ、宦官に窓から突き落とされ死にました(2王9:33)。アハブには70人の子どもがいたとあるので(10:1)、アタルヤがイゼベルの産んだ子かどうかはわかりませんが、アタルヤの非情な振る舞いや言動から、その可能性は否定できません。アタルヤはアハズヤを産み、アハズヤ王が死ぬと、アハズヤの子たち、すなわち時期王になるはずの王子たちを殺し、自らが王になった女です(11:1-3)。彼女はユダ国の中で唯一の女王であり、最悪の王でもありました。それでも「主は、そのしもべダビデに免じて、ユダを滅ぼすことを望まれなかった(18)」とあるように、なんとかユダ国は主のあわれみによって存続します。エリシャが預言したように、アハブの家が侵した罪は、その後のイスラエルとユダの国に大きな影響を与えます。アハブ以降の、アハズヤ、ヨラムの時代は混乱の時代で、イスラエルとユダが婚姻関係を持ち、それぞれに異教の波が押し寄せイスラエルとユダの存亡に関わるものでした。