あなたがたといっしょに建てたい

エズラ4:2「ゼルバベルと一族のかしらたちのところに近づいて来て、言った。「私たちも、あなたがたといっしょに建てたい。私たちは、あなたがたと同様、あなたがたの神を求めているのです。アッシリヤの王エサル・ハドンが、私たちをここに連れて来た時以来、私たちはあなたがたの神に、いけにえをささげてきました 」
聖書ではイスラエル捕囚の王はシャルマヌエセル王だと記されています(2王18:9)。エサル・ハドンはセナケリブの末っ子で、セナケリブの次の王です。セナケリブはユダ国ヒゼキヤ王のときにエルサレムを包囲しましたが(2王18:13)、神の不思議な力によりアッシリアからの攻撃を受けることはありませんでした(2王19:35)。アッシリア王エサル・ハドンはユダ国エルサレムが崩壊した後に、イスラエルから連行していいた民を移住させ、70年後もイスラエルの10支族はその場に住み着いていたようです。彼らは「ユダとベニヤミンの敵たち(1)」と表現され、ユダとイスラエルの確執があることを伺わせます。とはいえ、同じ神に選び出された、同じ種族ですから、協力を申し出たとしても何の不思議も ありません。むしろ70年の年月によって2つの国が統一できるチャンスでもあります。しかし、ゼルバベルは「あなたがたと私たちとは何の関係もない(3)」と言い放つのです。その一言は2つの国の決裂を決定的にしました。これ以降執拗な嫌がらせと妨害が次々と行われ、神殿のために喜び、泣き崩れた者たちの意志の高揚を打ち砕きます(3:12)。もし議官などを買収できる能力のあるイスラエル国の子孫を味方に迎えたならば、神殿の完成は20年は早くなっていたでしょう。