安息日に荷物が持ち込まれないように

ネヘ13:19「安息日の前、エルサレムの門に夕やみが迫ると、私は命じて、とびらをしめさせ、安息日が済むまでは開いてはならないと命じた。そして、私の若い者の幾人かを門の見張りに立て、安息日に荷物が持ち込まれないようにした 」
せっかくネヘミヤが苦労して安息日を聖めようとしましたが、イエス様の時代には神殿で両替商や捧げ物用の小動物を売る光景が描かれています(マタ21:12)。ネヘミヤやエズラの律法を重んじる考え方は、やがてパリサイ人を生み出していきます。パリサイ人が誕生したのは第2神殿ころだと言われています。「分離する」という意味をもつパリサイですが、イエス様の時代には安息日には何もしないで寝ている人たちが大勢いました(ヨハ5:10)。許されるのはトイレとシナゴーグまでの約800メートル以内を歩くことだけです。それでもしたたかなユダヤ人たちは過ぎ越しの祭りなど大きな祭りのときには、神殿で商売をしていました。ネヘミヤの時代とあまり大差ない状態だったのです。やがてイエス様が生まれる約170年前にセレウコス朝エルサレム神殿にゼウス神を祭るという大問題が起きました。ユダヤのリーダー、マカバイの活躍により神殿は守られましたが、この頃にパリサイ人たちの律法に対する厳格さが強まったと考えられています(外典マカバイ記)。この事件は「宮きよめ」として覚えられ、イエス様もこの祭りを祝ったことが書かれています(ヨハ10:22)。ネヘミヤの改革はパリサイ人を産み、それはイエス様の時代まで続いていることがわかります。