その迫害する者

エス7:6「エステルは答えた。「その迫害する者、その敵は、この悪いハマンです。」ハマンは王と王妃の前で震え上がった」
エステル記を起源とする「プリム祭」は現在でも3月ごろにイスラエルで行われています。いつの時代にもユダヤ人は迫害に遭い、ローマ時代のユダヤ戦争後散り散りになったユダヤ人はどの国でも厄介な存在でした。日露戦争のころロシアではポグロムと呼ばれるユダヤ人大迫害がありました。当時日本の日銀総裁だった高橋是清は同盟国イギリスで、ロシアと戦うための戦争債の引き受け先を探していました。このときヤコブ・シフというユダヤ人が奔走して債券を買い取ってくれたために、日本は戦争に勝つことができました。この背景にはユダヤ人を迫害したロシアがユダヤ人から恨みを買っていたことが挙げられます。以後、リトアニアでは杉原千畝満州では樋口季一郎、安江仙弘というユダヤ人を救った日本人が現れ、イスラエルのゴールデンブックに名が刻まれています。ユダヤ人が2500年もの前のことをプリム祭として祝う民族であり、恩を受けたことをしっかり覚える国民性があります。それはイスラム圏の人々も同じです。それゆえに1993年に締結したオスロ合意は、歴史的な快挙だと言えます。