シャレマン

ホセ10;14「あなたの民の中では騒動が起こり、あなたの要塞はみな打ち滅ぼされる。シャレマンがベテ・アレベルを踏みにじったように。その戦いの日には、母親が、その子どもたちの上で八つ裂きにされた 」
シャレマンは列王記に出てくるアッシリア王「シャルマヌエセル 」のことだと思われます(2王17:3)。イスラエルの最期の王になったホセアは、アッシリアに貢ぎ物を納めますが(2王17:3)、その裏でエジプトと内通して反乱しようとしたためにサマリヤを包囲されてしまいます(2王17:4-5)。列王記ではその後ホセアとイスラエルの民がアッシリアに連行され、メディアの町に住まわせたと書かれています(2王17:6)。ベテ・アレベルはベテ・アベルのことだと思われ、高台にあったため要塞があったようです(イザ17;3)。その場所には金の子牛が置かれていましたが、アッシリアは戦利品として王に持ち帰りました(5-6)。このときの様子が「 母親が、その子どもたちの上で八つ裂きにされた」と預言されているのです。実際の戦いはどうだったかは歴史書にも残っていませんが、ホセアだけがアッシリアの無慈悲な攻撃がなされたことを記しています。それはイスラエルの悪があまりにもひどいからだと主は訴えています(15)。シャルマヌエセル王はサマリヤ包囲の後、すぐにサルゴン王に代わり、サルゴンイスラエルと通じたエジプトを攻め取っています(イザ20:1)。ホセアは歴史的にもわずかにしか登場しないアッシリア王がイスラエルを容赦なくたたいたことを伝えています。