アモス2章モアブに火を送ろう

アモス2:2「わたしはモアブに火を送ろう。火はケリヨテの宮殿を焼き尽くす。モアブは、どよめきのうちに、角笛の音と、ときの声のうちに死ぬ 」
アモスの隣国へのさばきは「三つのそむきの罪、四つのそむきの罪 (1)」と「火を送ろう」が1セットになり、慣用句のように用いられています。「火」のヘブル語「esh(エシュ)」はソドムとゴモラを滅ぼしたときに降ってきた「硫黄の火(創19:24)」と同じ言葉です。神にとって単なる火ではなく、さばきに用いる自然を超越した火を指します。この火を受けるのはダマスコ(1:4)、ガザ(1:7)、ツロ(1:10)、テマン(1:12)、アモン(1:14)、モアブ(2)、ユダ(5)と7つの地域が挙げられています。同時期の預言者ホセアがイスラエルがさばかれる預言をしたのに対して、アモスイスラエルの近隣を含むさばきを預言しています。ヤロブアム2世の41年の治世の間、彼は主の前に悪を行い続けました(2王14:22-23)。それでも預言者ヨナの預言の通り、主はヤロブアムを助け領土を回復させたのです(2王14:25)。その理由は「主はイスラエルの名を天の下から消し去ろうとは言っておられなかった。それで、ヨアシュの子ヤロブアムによって彼らを救われたのである (2王14:27)」と書かれている通りです。ヤロブアムが少しでも主に立ち返ることがあれば、イスラエルの滅びももう少し延びたかも知れませんが、ヤロブアム以降のどの王も高き所を捨てることはありませんでした。