創世記25章 イシュマエルの長子ネバヨテ

創25:13「すなわちイシュマエルの子の名は、その生まれた順の名によれば、イシュマエルの長子ネバヨテ、ケダル、アデベエル、ミブサム 」

イシュマエルの長男ネバヨテのヘブル語「nebayowth(ネバヨス)」は、アラブ語の発音では「ネビート」に近いものになり、歴史の本ではイシュマエルの長男は「ナビト」と表記されています。ネバヨテ(ナビト)から40代目の子孫に「アドナーン」が生まれ、このアドナーンから20代目に「ムハンマド」が生まれます。ムハンマドは神からの預言を受けたとされ、イスラム教を始めます。これが西暦610年頃で、現在のイスラム教のルーツになっています。聖書にはイシュマエルの12人の子どものその後は書かれていませんが、12人の名前は記されています。現在でもイスラム教内で論争が続いている「シーア派」と「スンニ派」は、ムハンマドの後継者が血縁者かそうでないかが論点になっています。現在ではムハ ンマドの生地メッカと没地メディナを持つサウジアラビアスンニ派の大国となり、隣国もそれぞれスンニ派になっています。一方、イラン(ペルシャ)は、あくまでもムハンマドの血筋にこだわってシーア派を守っています。構図としてはアラブ人対ペルシャ人のが対立するような形です。イスラム教は、聖書の教えとは離れてしまっていますが、そのルーツはアブラハムを介して同じで、さらにアブラハムの神は彼らの神でもあるのです。