創世記34章 ディナがその土地の娘たちを訪ねようとして

創34:1「レアがヤコブに産んだ娘ディナがその土地の娘たちを訪ねようとして出かけた」
「娘たち」というのはヘブル語の「bath(バース)」が使わており、「少女」という意味の強いものです。考えてみれば、ヤコブがラバンのもとにいたのは20年で(31:41)、その間に子どもたちはすくすくと育ちルベン、シメオン、レビなどは立派な大人になっていたと推測できます。レアの末っ子ディナは、ヨセフより1歳ぐらいお姉さんで(30:21-24)、ディナもまたヤコブがシェケムに移り住んだころには年ごろの女の子になっていました。シェケムはディナを嫁にもらいたいと願いますが3)、この時代12歳(数えで13歳)で成人していますから、そういう若いディナを好きになったと考えられます。兄シメオン、レビは すでに20歳を超えていると思われ、兄妹でたった一人の妹でしかも末っ子となると、ディナに対する愛情も人並み以上のものだったでしょう。ただ見初めて、妻に欲しいと言われたのなら納得もしますが、辱しめられて半ば誘拐のように捕らえられたのでは交渉もくそもあったものではありません(6)。ヤコブの子たちとシェケルの家族では文化の違い以前に、道徳観の欠如が見られます(21)。いくら仲良くしましょうと言われても(12)、最初のボタンがかけ違っているならすべては台無しになってしまうのです。