創世記36章 その名はペレツと呼ばれた

創38:29「しかし、その子が手を引っ込めたとき、もうひとりの兄弟のほうが出て来た。それで彼女は、「あなたは何であなたのために割りこむのです」と言った。それでその名はペレツと呼ばれた 」
ペレツのヘブル語「perets(ペレツ)」は「打ち破る」という意味もあります。新改訳マタイでは「パレス」と発音され、ギリシャ語の発音の呼び方になっています(マタ1:3)。日本人的な考え方では、割り込みや人を押しのけるような行為は好ましくないとされますが、聖書ではヤコブやペレツのように先の者を追い抜く者が後継者として認められています。ヤコブは兄エサウのかかとをつかんで生まれてきました(25:26)。「かかと」は弱点として聖書に描かれ、女はへびの「かかとにかみつく(3:15)」と書かれています。また、ダビデの時代に契約の箱を運ぶ際に、倒れそうになった契約の箱に降れたウザの亡くなった場所は「ペレツ・ウザ」と呼ばれるようになりました(2サム6:8)。それは「割り込んだウザ」と いう意味です。この場合の割り込みは神からは認められませんでした。聖なるものに対しての割り込みは主の怒りを買い、ただ人を押しのける行為だけが認められるわけではなさそうです。イエス様は天の御国を激しく攻める者たちが奪うのだと、語られています(マタ11:12)。出る杭は打たれる日本において、聖書の概念は反対のものですが、ある時には積極的な態度が主に喜ばれるのだと思います。