ヨブ26章 その下の雲は裂けない

ヨブ26:8「神は水を濃い雲の中に包まれるが、その下の雲は裂けない 」
ヨブ記の中には天地創造に関わる、神の創造の緻密さを表現している箇所がいくつかあります。空には雲があるのは当たり前ですが、単に浮かんでいるだけの雲と、雨を降らせる雲とには違いがあります。ちょうどヨブのこの言葉のように、雲に水は包まれていますが、あるきっかけで水は雨となって落ちていきます。その様子は、あたかも雲が裂けるかのように見えます。雲と雨雲の違いは密度だそうで、雨雲の水の密度は高く、光を通さないため黒い色に見えます。さらに「神は北を虚空に張り、地を何もない上に掛けられる (7)」は、空があたかも地の上に張られた幕のように描かれていますが、古代から虚空は何かによって支えられていると考える人は多かったようです。空も雲も生まれたときから存在してるものなので、不思議には思いませんが、昼と夜とを分け、命を支える水を供給してくれている大切な地球の循環機能だと思うと不思議に思えてきます。ヨブは偉大な神のわざに目を留め、ビルダデが知ったように話しているのに対し、神の知恵はもっともっと奥深いものなのだと強調しています。しかも、ヨブが語ったのは「神の道の外側(14)」しか過ぎず、ビルダデが神を知ったように話すのがいかに滑稽なことかを訴えています。