ヨブ記32章 ヨブに罪を認めさせる

ヨブ32:12「私はあなたがたに注意を払っていたのに、ヨブに罪を認めさせる者はなく、あなたがたのうちで彼のことばに答える者もいない 」
エリフもまたエルファズ、ビルダデ、ツォファルと同じようにヨブの中に何か悪いものがあると考えていました。エリフが期待していたことは、「ヨブに罪を認めさせる」ことでした。エリフは3人が答えるのをやめるを見て(1)、怒りを燃やした(2)とあります。この「怒りを燃やした」という表現は32章中4回も繰り返されており(2,3,5)、エリフがかなり激情型の性格だったことがわかります。彼は自分が言うように若く(6)、それゆえにこれから長々とヨブに対して説教をするのです。それにしてもエリフが語る「一つの霊が私を圧迫していいる(18)」とか、「新しいぶどう酒の皮袋のように、今にも張り裂けようとしている (19)」は、若さが張ち切れんばかりの表現です。皮袋が張り裂けるぐらい感情でヨブと3人のやり取りを見ていたとなると、エリフの語れなかった時間のストレスは相当なものだと思われます。しかも「私はだれをもひいきしない。どんな人にもへつらわない (21)」とまで言っており、経験値の少ないただひたすら真っすぐの青年であることが想像できます。しかし、結論から言うとエリフはヨブを説得できず、エリフの語った6章分の言葉は何だったのか疑問に思う聖書学者もいます。エリフの部分は後から付け足されたとする学説もあります。