ヨブ29章 首長として座に着いた

ヨブ29:25「私は彼らの道を選んでやり、首長として座に着いた。また、王として軍勢とともに住まい、しかも、嘆く者を慰める者のようであった 」
ヨブがいかに住む場所で用いられ、リーダーとして活躍していたかが描かれています。「あのとき(2,6)」や「全能者がまだ私とともにおられたとき (5)」のように、良かった「とき」を回想しているのがわかります。貧しい者やみなしごを助け(12)、死にかかっている者ややもめ(13)が元気になることがヨブの喜びでした。しかし、いまや身を引かれ(8)、沈黙されてしまう有様です(9)。友人たち3人も、最初にヨブに会ったときは1週間沈黙してしまいました(2:13)。本当に困窮し、死の淵にいる人に対して「大丈夫?」とか「頑張って」などとは言えないものです。ヨブの周りにいる人々は、あの権威ある活力に満ちたヨブのあまりにもの変わりように全員同じ気持ちになったのです。ヨブは自分の歩んできた人生を振り返り、主の教えの通りだったことを再確認しようとしています。弱きを助け(12-16)、不正なものを砕き(17)、ヨブの日は増やされることはあっても、減らされることはないと考えていました(18)。見てくれ、私の人生はこの通りだ…と言わんばかりのヨブの主張です。確かにヨブの歩んできた道は、主の教えに従っているものです。ことば数が増えるに従って、ヨブに「自分は正しい」というサタンのささやきが忍び寄ってきているのがわかります。