ヨブ記34章 それは人の役に立たない

ヨブ34:9「彼は言った。「神と親しんでも、それは人の役に立たない」
本当にヨブがそんなことを言ったのでしょうか?どうもヨブの語ったことと、エリフの言った内容との間には大きな隔たりがあるように思えます。「あざけりのように水を飲み(7)」とエリフは言いますが、ヨブは「私の公義は上着であり、かぶり物であった(29:14)」と言っています。また、「不法を行なう者どもとよく交わり、悪人たちとともに歩んだ(8)」とエリフは言いますが、ヨブは「私は貧しい者の父であり、見知らぬ者の訴訟を調べてやった(29:16)」と語っています。エリフは「ヨブは知識がなくて語る。彼のことばには思慮がない(35)」と決めつけていますが、ヨブは「王として軍勢とともに住まい、しかも、嘆く者を慰める者のようであった(29:25)」とみんなから信頼され、慰める心を持っていたと証言しています。しかし、エリフが言うようにヨブが「私は正しい(5)」とした態度が見られたことは他の3人の友人も認めるところです(32:1)。エリフのちょっとやり過ぎ感のある反論ですが、ヨブの弱点をしっかりと捉えているのには驚かされます。