ヨブ記36章 正しい者から目を離さず

ヨブ36:7「神は、正しい者から目を離さず、彼らを王たちとともに王座に着け、永遠に座に着かせて、高められる 」
神は正しいものから目を離さないはず、だからヨブのようなみじめな姿になるはずはない…エリフも他の3人と同じスタンスで話をしています。おそらくヨブはエリフに言い返したかったのだと思います。しかしエリフは「しばらく待て(2)」とヨブが反論する機会を抑えています。しかも「神のための言い分(2)」があると、まるで神の弁護士であるかのような態度です。それでも「神はいと高く、私たちには知ることができない。その年の数も測り知ることができない (26)」というのは神の本質であり、人がいかに努力しようともその偉大さを知ることはできないことを理解しています。結局、エリフも他の3人と同様に、神に従う者と悪者を比較することによって、ヨブの立場を定めようとしているだけです。エリフのこれらの言葉は後から挿入されたとする聖書学者も多いようです。なぜならエリフの語った言葉に対して、ヨブの反論も他の3人の反応もないままに、いきなり「主はあらしの中からヨブに答えて仰せられた(38:1) 」と続くからです。ヨブ記を読む者にとっては、エリフの言葉はいったい何だったのだろう、と不思議に思ってしまいます。どういう経緯でエリフの言葉が追加されたかはわかりませんが、最初に登場した3人の友人以上に雄弁に語る青年の言葉は、どこまでヨブの心に届いたのでしょうか?