出エジプト10章 息子や孫に語って聞かせるため

出10:2「わたしがエジプトに対して力を働かせたあのことを、また、わたしが彼らの中で行なったしるしを、あなたが息子や孫に語って聞かせるためであり、わたしが主であることを、あなたがたが知るためである 」
パロの心を強情にしたのは主ご自身です(1)。それには大きな目的が隠されていました。それは「息子や孫に語って聞かせるため」だと書かれています。10章の終わりまで9つの災いが起きています。そしてパロもモーセも互いにもう会うことはないことを告げて別れます(28-29)。しかし、イスラエルの民の息子や孫に語られる最大の災いはこれから起こるのです。現在でもユダヤ人は過ぎ越しの祭りを祝います。イスラエルでは「ペサハ」と言われ、最も重要視されている祭りです。ニサンの月、すなわち1月15日が過ぎ越しの日ですが、ユダヤ暦と現在の暦はずれているため西暦(グレゴリオ暦)では3月末から4月の中で行われています。2018年の過ぎ越しの祭りは3月31日になります。祭りの日には家族が集ま り食事をしますが、そのときに家長は家族にエジプトでどのようにして主がイスラエルの民を救ったかを語ります。まさしく主がパロの心を強情にした結果が歴史となって語られるのです。パロの家臣たちはすでにモーセの起こした異常な出来事に気づき、「エジプトが滅びるのが、まだおわかりにならないのですか (7)」と訴えています。どんなに家臣が心配しても、パロの背後には主の御心が働いており、パロの心は自分ではどうすることもできませんでした。