出エジプト15章 えり抜きの補佐官たちも

出15:4「主はパロの戦車も軍勢も海の中に投げ込まれた。えり抜きの補佐官たちも葦の海におぼれて死んだ 」
聖書には「パロは戦車を整え、自分でその軍勢を率い、えり抜きの戦車六百とエジプトの全戦車を、それぞれ補佐官をつけて率いた (13:6-7)」とあり、パロ自身が海を分ける神の奇跡に立ち会ったことがわかります。このパロが誰であったかは論議の的になっていますが、年代的にラムセス2世かその息子のメルエンプタハではなかったかと言われています。ラムセス2世だとする大きな理由は、BC1200 年頃というモーセの時代に近いことが挙げられます。もう1つの理由はラムセス2世の時代に遷都があり、以降多くの神殿や建造物を作っています。これらの建設の労働力がへブル人ではなかったか、と言われています。その息子メルエンプタハは時代的にはラムセス2世と同じですが、即位したのが60歳だという記録があり、自ら軍を率いてモーセを追いかけた王としては年を取りすぎています。ラムセス2世とメルエンプタハはともにミイラが発見されており、2人が実在したのは間違いありません。パロの「われわれはいったい何ということをしたのだ。イスラエルを去らせてしまい、われわれに仕えさせないとは (14:5)」という言葉は、今まで続いていた多くの建設物の作業が途絶えてしまうとも取れます。聖書が伝えるほどに、エジプトの記録では多くの労力を失った事実は伝えられていません。