出エジプト32章 子牛が出て来たのです

出32:24「それで、私は彼らに、『だれでも、金を持っている者は私のために、それを取りはずせ』と言いました。彼らはそれを私に渡したので、私がこれを火に投げ入れたところ、この子牛が出て来たのです」
アロンもなかなか嘘が達者です。「誰でも金を持っている者」ではなく、「妻や、息子、娘たちの耳にある金の耳輪(2)」が本当です。金を「彼らが渡した」のではなく「持ってきなさい(2)」とアロンが命じたのです。火に投げたら子牛が出てきたのではなく、アロンが自らのみをもって型を作り、鋳型で子牛を作ったのです(4)。その像の前で祭壇を作ったのもアロンです(5)。しかし、かろうじて「あすは主への祭りである(5)」と言っています。ここで使われている「主」はヘブル語の「 エホバ」すなわち「YHWH」のことです。そして、翌日の朝には「全焼のいけにえ」と「和解のいけにえ」を捧げています(6)。これらはおそらく主の言われた「罪のためのいけにえ」と「和解のいけにえ」だったと思われます(20:24)。本来ならイスラエルの民が祭壇に捧げることなどできませんし(29:11-28)、捧げた肉の食べ方も決まっていました(29;31-34)。肝心のアロンがこうでは、モーセもうかつにシナイ山に登っていられません。