出エジプト38章 オホリアブがいた

出38:23「彼とともに、ダン部族のアヒサマクの子オホリアブがいた。彼は彫刻をし、設計をする者、また青色、紫色、緋色の撚り糸や亜麻布で刺繍をする者であった 」
ダン族で個人名が登場するのは族長アミシャダイ(民2:25)やサムソン(士13:2)と、このオホリアブぐらいです。彼は主から知恵を授かり(36:1)、ベツァルエルとともに聖所にまつわる器具の制作に携わりました(36:2)。オホリアブ自身のことについては詳しくは書かれていませんが、聖書には大きさと材料の指定はありませんので、ベツァルエルとオホリアブに授けられた知恵だけが具現化する頼りとなりました。彼らには知恵「chokman(ホクマン)」と英知「tabuwn(タブーン)」が与えられたとあります(36:1)。知恵の「chokman(ホクマン)」は、「技術」や「わざ」という意味もあり英語では「skill(NIV)」と訳されています。多くの人がモーセの幕屋の想像図を描いていますが、微妙に細部が異なります。それは文字だけで示 されただけでは、どうしても解釈の違いが生じるからです。現代では設計図に加えて完成予想図を描くのが、建築の最初の工程となっています。もちろん制作に携わった人たちが設計図を持っていなかったという証拠はありませんが、オホリアブらに与えられた知恵、すなわち理解力は神からのものです。彼らがリーダーとなり、主が言われた器具の細部を指示したのだと思います。聖書にはわずかにしか登場しませんが、幕屋制作には欠かせない現場監督だったはずです。