使徒5章 サタンに心を奪われ

使5:3「そこで、ペテロがこう言った。「アナニヤ。どうしてあなたはサタンに心を奪われ、聖霊を欺いて、地所の代金の一部を自分のために残しておいたのか 」
使徒たちは共同生活を始め、財産を共有するという生活スタイルを取っていました(4:32)。「地所や家を持っている者は、それを売り、代金を携えて来て (4:34)」とあるように、アナニヤは地所を所有する者の一人でした。しかもアナニヤは土地の所有だけでなく、使用権利も持っていたようです。仮にアナニヤが土地を売ったとしても、土地の使用権利までは渡していないので、ペテロは「売ってからもあなたの自由になったのではないか(4)」と言っています。すなわち土地も実質手放すことなく、さらに得た金もほかの人のように全額捧げることをしなかったのです。ペテロはこれはサタンに心を奪われたからだと言っています。神に捧げるときに何かに心が奪われ、最上のものを捧げられないときがあります。これはカインが捧げたものとよく似ていると思います。カインがサタンにそそのかされたことは聖書に書かれていませんが、アベルが最上のものを捧げたのに対 し、カインにはそういう記述はありません(創4:3-4)。人類創世のころからある財産へのこだわりは、イエス様の時代でも変わりなかったのです。それにしても、ペテロが忠告しアナニヤとサッピラがその場で悔い改めて、神に赦しを乞う時間はなかったのでしょうか?とても厳しい初代教会のさばきだったと思います。