使徒6章 『あのナザレ人イエスは

使6:14「『あのナザレ人イエスはこの聖なる所をこわし、モーセが私たちに伝えた慣例を変えてしまう』と彼が言うのを、私たちは聞きました 」
これはリベルテン派(9)の人たちが、人を雇って偽証させた言葉です(13)。リベルテン会堂には、いわゆるシナゴーグと呼ばれる地域の小会堂とは別の組織で、クレネ人、アレキサンドリヤ人、キリキヤやアジヤ (9)の人々が集っていました。彼らはもともと奴隷でした(聖書辞典)。彼らはかなり律法に熱く、「モーセ」は律法を意味しています。彼らはモーセに逆らうことは、すなわち聖書に反することだと考えています。彼らがステパノの議論しているのは、福音についてです(9)。ステパノが唱えるナザレ人イエスがメシアであるなら、奴隷だった自分たちを完全に開放してくれるはずだという主張です。つまり、メシヤが来たというクリスチャンの福音を認めたくないのです。イエス様の言われた赦し合うだの、愛だのという概念だけでは、世の中は変わらず、ユダヤ人だけの国を再興するには現実的ではないと思っていたようです。これは多くのユダヤ人たちが抱えていた疑問で、議会の場でステパノはあたかもクリスチャンの代表のように引っ張り出され弁明をしなくてはならなくなりました(12)。はてしてキリストを信じる者たちは、モーセの律法に逆らってでたらめを伝えているのでしょうか?ステパノの渾身の主張が始まります。