使徒16章 ローマ人である私たち

使16:37「ところが、パウロは、警吏たちにこう言った。「彼らは、ローマ人である私たちを、取り調べもせずに公衆の前でむち打ち、牢に入れてしまいました。それなのに今になって、ひそかに私たちを送り出そうとするのですか。とんでもない。彼ら自身で出向いて来て、私たちを連れ出すべきです」」
パウロローマ市民なのは他の個所でも登場します(22:27)。しかし、パウロ自身は自分は生粋のユダヤ人でベニヤミン族であると言っています(ピリ3:5)。ユダヤ人でローマ市民を持つことは珍しかったようで、長官は二人の容姿がユダヤ人だったためにろくに調べもせずにむち打ったのです(22)。別の個所ではむち打たれる前にローマ市民だと告げる場面があります(22:25)。このとき千人隊長 は大金を払ってローマ市民権を買っているとパウロに告げ、パウロは生まれながらの市民だと語っています(22:28)。生まれながらに市民権を持つためには、パウロの家族がローマに貢献したか、父親がローマ帝国の要職にあったなどが推測されます。パウロは高学歴で、律法の専門家ガマリエルに師事しています(22:3)。しかし、パウロは律法学者にならずに、天幕作りを職業としていました(18:3)。パウロは天幕作りのユダヤ人で律法の専門家であり、ローマ市民でもあるという経歴の持ち主でした。主はパウロの立場を十二分に生かして宣教を進めていったのです。