使徒28章 自分だけの家に住むことが許された

使28:16「私たちがローマに入ると、{百人隊長は囚人たちを守備隊長に引き渡したが、}パウロは番兵付きで自分だけの家に住むことが許された」
ローマに着くならパウロは身柄を拘束され、カイザルの前に立ち話すチャンスがあったはずです(27:24)。ところが使徒の働きは最後までカイザルの前にパウロが立ち、福音を伝えたことに言及していません。それは、カイザルの親衛隊の百人隊長がパウロを他の囚人と同じに扱わず、半分仮釈放的な処置をして、パウロを自由にさせていることに原因があるようです。長旅と難破、嵐などの多くの経験を通して(26-27章)、百人隊長はパウロには罰を与える罪がないことに気づいていたようです。パウロは自分の置かれた立場を最大に利用して、もし自由に人と会えるのならローマにいるユダヤ人たちに福音を伝えようとします(17)。現地のユダヤ人たちも「あのパウロ」がローマに来たことで、ナザレ派(24:5)の真偽を確かめようと集まってきます(23)。ここでパウロはイザヤの「この民の心は鈍くなり(イザ13:15)」という預言の成就を目にするのです。そしてパウロの最後の言葉は「神のこの救いは、異邦人に送られました(28)」でした。