詩篇26篇 私を試みてください

詩26:2「主よ。私を調べ、私を試みてください。私の思いと私の心をためしてください」
ダビデが歌った詩は多くは、サウルから追われているときや、敵と戦っていたころのものです。サウルは「サウルは千を打ち、ダビデは万を打った(1サム18:7)」という人々の声を聞き、それ以来ダビデを疑いの目で見るようになり(1サム18:9)、ついには殺そうとするのです(1サム18:25)。こういう時のほうが、ダビデの心はへりくだり、主の前にひれ伏す態度だったように思えます。ところが、戦いも一段落して落ち着くと、心は緩むものです。ダビデは戦いをヨアブに任せ、自分は夕方まで寝ていたとき(2サム11:1)、バテ・シェバを見て姦淫の罪を犯すのです(2サム11:3-4)。この詩篇のときのような、 「私を試みてください」という謙遜な態度はなくなってしまいます。この26篇では「手を洗ってきよくし(6)」「誠実に歩みます(11)」というような、主の前で正しい態度を取り続けようとするダビデが見られます。苦しい時ほど主に近づけ、主を求める力が増すのはいつの時代も同じです。それゆえイエス様は「悲しむ者は幸いです(マタ5:4)」と言われました。またパウロは「私が弱いときにこそ、私は強いからです(2コリ12:10)」と言っています。