申命記13章 まず、あなたが彼に手を下し

申13:9「必ず彼を殺さなければならない。彼を殺すには、まず、あなたが彼に手を下し、その後、民がみな、その手を下すようにしなさい」
「彼」とは兄弟、息子、娘、愛妻、無二の親友の誰かです(6)。どの関係でも近しい存在であり、直接手を下すには勇気が必要です。しかし、最初に石を投げるのは関係の深い「私」なのです(10)。この章の最初には夢見る者が現われ(1)、彼の夢が実現することが書かれています(2)。それは他の神に仕える者でも、預言が的中し、夢が実現することがあり得ることを示しています。エレミヤには「わたしの名によって偽りを預言する預言者たちが、『私は夢を見た。夢を見た』(エレ23:25)」という箇所があり、偽りの預言が主の名で行われることもあることが語られています。エレミヤは「いつまで偽りの預言が、あの預言者たちの心にあるのだろうか(エレ23:26)」と嘆いています。ここで強調されるのは、たとえ同胞であっても、あるいは近親の関係であっても、違う神を拝むようにそそのかすなら、断たれるということです(5.8.15)。あたかもガンが体を侵すのを食い止めるように、民から断たれ、町なら町全体を聖絶します(16)。逆に言うなら、それほど人は惑わされやすいことを主はご存知なのです。