申命記16章 夜のうちに

申16:1「アビブの月を守り、あなたの神、主に過越のいけにえをささげなさい。アビブの月に、あなたの神、主が、夜のうちに、エジプトからあなたを連れ出されたからである」
アビブは「カナン暦」とも言われ、古代ユダヤ暦で現在は「ニサン」という名で呼ばれ、いわゆる正月のことを指します。過ぎ越しは1月14日を中心に行われ、21日までパン種をいれないパンを食べます(3)。それは、出エジプトをする際に、あまりにも急いで出発したためにパン種が膨らむまで待てずにそのまま持ってきたからです(出12:39)。出エジプトをした時間は「夕方、日の沈むころ(6)」だとあり、日が暮れてからイスラエル民族の大移動が行われたことがわかります。聖書には「この夜、主は彼らを エジプトの国から連れ出すために、寝ずの番をされた(出12:42)」とあり、神ご自身がイスラエルの民を見守っておられたことが書かれています。確かに神がイスラエルを導いておられ、この出来事がいかに神にもユダヤ人にも大切なことだったかがうかがい知れます。出エジプトの初日は暗い荒野を徹夜で歩かなければならず、主は蛇やサソリに(8:15)おびえながら進むイスラエルの民の番をしておられたのです。