申命記19章 その頭が柄から抜け

申19:5「たとえば、木を切るため隣人といっしょに森に入り、木を切るために斧を手にして振り上げたところ、その頭が柄から抜け、それが隣人に当たってその人が死んだ場合、その者はこれらの町の一つにのがれて生きることができる」
「殺してはならない(出20:13)」は十戒の第5番目の戒めですが、ここでは故意による殺人と過失による殺人を区別しています(4)。斧の頭の部分のヘブル語は「barzel(ベツェル)」が使われ、「鉄」を指します。その鉄の塊が何かのはずみで飛んでしまい、人に当たりその人は死んでしまうという例えが書かれています。非常に確率の低い出来事ですが、起こり得えないことではありません。そのときに、斧を持っていた人に「殺意」があったかどうかが問われています。もちろん、斧の頭を飛ばして人の頭に故意にぶつける方が圧倒的に難しいのですが、主は人が殺されたときの、加害者側の心の中を見ておられるのです。それでも被害者側の家族の心情を考えるなら、故意ではないにしろ以前のように生活するのは難しいでしょう。もし、イエス様の言われたように「赦しなさい(ルカ6:37)」という律法があったなら、逃れの町は必要なかったかも知れません。しかし、この時代にはまだイエス様の十字架は完成しておらず、逃れることが最良の方法だったのだと思います。