申命記26章 乳と蜜の流れる地

申26:9「この所に導き入れ、乳と蜜の流れる地、この地を私たちに下さいました」
アブラハムがカナンの地へ行くように命じられた時には「乳と蜜が流れる地」などとは言われませんでした(創12:1)。ところが出エジプトを経て荒野での40年が終わるころに主が導きいれる地は「乳と蜜が流れる地」だと言われています(出3:8)。「乳」はヘブル語で「chalab(ハラーブ)」「蜜」は「debash(デバーシュ)」という言葉が使われています。アブラハムの時代と何が違っていたのでしょうか?まずエジプトでは奴隷の生活でもっぱらレンガを作る生活でした(出5:7-8)。そして荒野では水が不足したり(出17章、民20章)、食料に関しては天からマナが降るという奇跡で40年を過ごしました(出16章)。それらの生活と比較 するならカナンは肥沃で豊かな土地だと言えます。乳を得るには牛や山羊にちゃんと餌を与えなければなりません。また、蜜を得るためには花が咲かなければなりません。どちらも緑が豊かで、水も豊富にある証拠になります。またイスラエルの気候は暑すぎず、寒すぎず、地中海に面した温暖な気候です。「住めば都」は悪条件でも住んでいれば慣れて、よい環境に思えるということわざですが、主が用意された地はよい条件のそろった良い土地だったのです。