詩篇55篇 ことばを混乱させ

詩55:9「主よ。どうか、彼らのことばを混乱させ、分裂させてください。私はこの町の中に暴虐と争いを見ています」
詩篇51篇から続く詩は「バテ・シェバとの姦通(詩51)」「エドム人ドエグの密告(詩52)」「ジフ人たちの密告(詩54)」となり、詩篇56篇では「ガテで捕らえられたとき」と書かれており、時系列が詩篇の番号順に整えられています。「彼らのことばを混乱させ、分裂させてください(9)」という内容から、アブシャロムに追われているときとも考えられますが(2サム15:34)、そうすると56篇のガテでの出来事と時間が逆転してしまいます。もちろんフシャイをアブシャロムに送り、言葉を混乱させたことは否定できません(2サム16:15ー23)。あるいは54篇のジフ人の密告のこと を語っており、彼らのことばを混乱させてほしいと願っているようにも思えます(9)。言葉を混乱させるのは、一度バベルで神もなさっており、人の言葉が統一されたなら、人をとどめることができない…と書かれています(創11:6)。ことばの力を知る神だからこそ、その恐さも知り得るのです。ダビデもまたそのことを知っており、言葉の混乱が有効であることを理解していました。