イザヤ16章 一つの王座が

イザ16:5「一つの王座が恵みによって堅く立てられ、さばきをなし、公正を求め、正義をすみやかに行なう者が、ダビデの天幕で、真実をもって、そこにすわる」
イザヤはモアブは一夜にして滅びる宣告を語っています(15:1)。しかし、ここではモアブから散らされた者を宿らせ、隠れ家となれ(4)と書かれています。モアブは高慢のゆえに滅びますが(6)、そのすべての人を滅ぼすことはしなかったようです。そして、「しいたげる者が死に、破壊も終わり、踏みつける者が地から消えうせるとき(4)」一つの王座に正義を行なう者が現れるとあります(5)。これはメシヤ預言でイエス様のことだと思われますが、時間が一瞬にして飛び、モアブのことから話題がメシヤに移っています。 イザヤのみならず、どの預言者、あるいは詩篇の作者たちも幻の中に時間を超越した終わりの時代を見せられるようです。モアブの地だとある「ヘシュボンとエルアレ」はルベンの相続地です(民32:37)。放牧に適した地は、アモンたちの果樹園でもありました(10)。しかし、もはや果実を楽しむことはなく(10)、正義を行うメシヤを待ち望むことだけが、彼らの望みとなるのです。