ヨエル1章 食い荒らすいなごが食った

ヨエ1:4「かみつくいなごが残した物は、いなごが食い、いなごが残した物は、ばったが食い、ばったが残した物は、食い荒らすいなごが食った」
バッタの大量発生による被害は全世界で報告があり、日本も例外ではありません。日本語では「蝗害(こうがい)」と言い、江戸時代の文献にも残っています。ここでは「いなご」ヘブル語「'arben(アルベン)」と「ばった」「yekeq(ヤケク)」さらに「食い荒らすいなご」「chaciyl(シャシイル)」が使われています。バッタは通常緑色をしていますが、群生した場合は茶色に変化します。1958年に撮影された写真をもとに、推定されたイナゴの大発生の数は500億匹とも言われ、一夜にして農作物を食い荒らす様子が写っています。しかし、預言のように次から 次へと違うタイプのいなごが現れ、根こそぎ植物を食べるのは記録としても残っていません。もちろんヨエルは比喩として語っているわけですが、1915年のパレスチナの蝗害は当時のエルサレムの住人(オスマン・トルコ)に食糧危機をもたらしました。この時にユダヤ人ラビが贖罪の儀式をしたことが記録に残っています。ヨエル書はアモスがいくつかの個所を引用しており(アモ1:2や9:13)、また聖霊降臨の際もペテロによって解き明かされた(使2:17-21)終わりの時代に欠かせない預言です。