詩70:1「神よ。私を救い出してください。主よ。急いで私を助けてください」
詩篇70篇の表題には「記念のために」とあります。ヘブル語「zakar(ザカー)」は「思い起こす」や「思い出させる」という意味があります。英語NIVでは「pitition(嘆願)」と訳されています。詩篇70篇は詩篇40篇の後半部分と同じです(40:13-17)。40篇では「巻き物の書に私のことが書いてあります(40:7)」とあり、巻き物という証拠があるゆえに自分を忘れないでほしい…と必死の願いをしています。そして「私を救い出してください」と続くのです。この40篇をもう一度繰り返すのは、ダビデが前回と同じように危急の立場に陥ったか、あるいは40篇を歌った賛美を思い出し、この詩の内容をもう一度歌いたくなったのかもしれません。こうして見るならダビデや他の歌い手が賛美した内容は、特別に筆記する者が記していたことがわかります。「滅ぼすな(57篇など)」や「ゆりの花(45篇など)」などの決まった調べがあったように、賛美した内容も読み返すことができたのではないでしょうか？
