詩篇80篇 このぶどうの木を

詩80:14「万軍の神よ。どうか、帰って来てください。天から目を注ぎ、よく見てください。そして、このぶどうの木を育ててください」
「このぶどうの木」とは、エジプトから携え出されたぶどうの木(8)のことです。アサフは一貫して「回復」を神に願っています。3回繰り返される「私たちをもとに返し、御顔を照り輝かせてください。そうすれば、私たちは救われます(3、7、19)」は、「さとしは、ゆりの花(表題)」の調べの同じメロディ部分だと思われます。「聞いてください(1)」「来てください(2)」「帰ってきてください(14)」「よく見てください(14)」と、あたかも神が遠くにおられ、目と耳をふさいでいるかのようです。アサフは神が何かアクションを起こしてくれなければ 、自分は滅びるように考えています。確かにパウロは行ないではなく、「恵み」によって救いはもたらされる、と言っています(ロマ11:6)。自分が何かをしたから報酬として救われるのではなく、神の一方的なあわれみと恵みによって救われるのです。アサフはやがて起きる試練を思い、なかなか好転しないユダヤ人の運命を一刻も早く打開したい、と神に願っているのです。