詩篇79篇 先祖たちの咎を、私たちのものとして

詩79:8「先祖たちの咎を、私たちのものとして、思い出さないでください。あなたのあわれみが、すみやかに、私たちを迎えますように。私たちは、ひどくおとしめられていますから」
アサフはダビデの時代に歌い手として任命された人ですから(1歴15:19)、バビロン捕囚など知る由もなかったはずです。それどころか次の王ソロモンの時代にはイスラエルの最盛期を迎えています(1王4:21-25)。アサフがダビデが作った天幕で大声でこの詩を歌ったのなら、周りの人はどのような気持ちで聞いていたのでしょうか?ダビデがまだ死んでもなく、イスラエルが2つに分裂もしていません。にもかかわらず「先祖たちの咎を、私たちのものとして、思い出さないでください」とは聞く方としては理解に苦 しんだはずです。聖書を読む人は、イスラエルがその後、ヤロブアムの罪に(1王15:30など)歩み、またユダ国も多くの王が異教の神を拝んでいたことを知っています。そしてバビロンは「彼らの神はどこにいるのか(10)」とあざけった事実も知っています。400年以上も前からアサフはまだ捕らわれてもいず、罪も犯していないのに「御名のために、私たちを救い出し、私たちの罪をお赦しください(9)」と主に訴えているのです。アサフもダビデと同じように聖霊に導かれ、預言的な詩を歌える歌い手だったのだと思います。