士師記16章 毎日彼女が同じことを言って

士16:16「こうして、毎日彼女が同じことを言って、しきりにせがみ、責め立てたので、彼は死ぬほどつらかった」
ペリシテ人は40年もイスラエルを苦しめていました(13:1)。サムソンが暴れたい放題で、ユダとペリシテがあわや戦闘かというとき、「あなたはペリシテ人が私たちの支配者であることを知らないのか(15:11)」といってサムソンを説得しています。支配者ペリシテの領土に堂々と出入りし、自分の好みの女を探しているのに、ペリシテ人はサムソンに手を出せない状態です(1ー4)。多くの画家たちはサムソンを大きく筋骨隆々の男として描き、デリラは美しく賢い女性のイメージで描いています。しかし、デリラが賢かったかは疑問です。彼女が銀5500枚のために取った作戦はあまりにも 稚拙で、ひねりのないものだったからです(6-15)。しかも、毎日同じことを聞いた…とあります(16)。それはあくまでも、サムソンがデリラにぞっこんだったという1点に頼ったもので、おいしい食事や楽しい余興で楽しませるような手法は一切取っていません。ただ「教えて」の一点張りです。サムソンも最後の切り札の手の内を明かすのは、ナジル人の誇りとしてできなかったのだろうと思われます(17)。結局、サムソンの愛とデリラの愛は大きく食い違っていたために悲劇は起きてしまいました。