士師記18章 自分たちの住む相続地を求めていた

士18:1「そのころ、イスラエルには王がなかった。そのころ、ダン人の部族は、自分たちの住む相続地を求めていた。イスラエルの諸部族の中にあって、相続地はその時まで彼らに割り当てられていなかったからである」
ヨシュア記にはダン族にも相続地が割り当てられていることが書かれています(ヨシュ19:40-48)。ただし、ダン族が当てたのは7番目のくじで、最後のくじでした(ヨシュ19:40)。もうほとんど良い土地は他の部族に取られ、ダン族にはわずかの土地しか与えられず、そのためダン族はレシェムと戦い自分の領土を広げたとあります(ヨシュ19:47)。地図上で見るならエルサレムの西側で、エフライムとユダに挟まれた隙間のような土地がダン族の相続地です。それゆえ隣りのエフライム出身のミカに行ったのは必然的だとも言えます(2)。考えてみれば相続の割り当てがもう少し公平なものでダン族も不平を言わなければ、今回の事件は起きなかったはずです。ミカはダン族が強いのを見て諦め(26)、死人やけが人が出る大事には至りませんでしたが、19章以降ではついに混乱に火が付き、最後はベニヤミンと他部族との抗争に発展していくのです(20-21章)。サムソン以降強いリーダーが現れず、すべては「めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた(17:5)」ということばに集約されていると思います。