士師記19章 よこしまな者たちが

士19:22「彼らが楽しんでいると、町の者で、よこしまな者たちが、その家を取り囲んで、戸をたたき続けた。そして彼らは、その家の主人である老人に言った。「あなたの家に来たあの男を引き出せ。あの男を知りたい」」
ソドムに住んでいたロトの場合は「若い者から年寄りまで(創19:4)」と町から全員の男が出て来たとあります。ここでは「よこしまな者たち」となっていますが、ヘブル語では「bĕliya`al(ベリアール)」となっており、新約ではサタンと同義語とされている言葉が使われています(2コリ6:15)。創世記では神の人が目つぶしを与え、町の人は目がくらみ、ロトの2人の娘は無事でいられました(創19:11)。このレビ人にはそんな力もなく、急場しのぎでとっさにそばめを差し出したのだと思います(25)。このそばめももともとは「彼をきらって(2)」レビ人の元を離れたのですが、「きらって」のヘブル語は「zanah(ザナ)」という言葉が使われており、「売春婦」とか「浮気をする」という意味です。この章全体に漂う性的な乱れは、この時代を反映していると思います。しかもレビ人は本来宮に仕え、うろうろ旅をするような人たちではないはずです(民3:12)。唯一レビ人を助けたエフライムの老人だけが正気を保っていたのだとすると、悲しい限りです(17)。