1サムエル記1章 彼女をひどくいらだたせるようにした

1サム1:6「彼女を憎むペニンナは、主がハンナの胎を閉じておられるというので、ハンナが気をもんでいるのに、彼女をひどくいらだたせるようにした」
ヤコブの妻、ラケルとレアは姉妹という関係でしたが(創29:16)、ハンナとペニンナはどうやらそうではなさそうです。ハンナは最初に書かれていることから、エルカナと最初に結婚したか、あるいは年齢がペニンナよりも上だった可能性があります。「いらだたせるように」というのは、シロでのいけにえが息子と娘分でたくさんあったことを見せびらかすようなことだったと思われます(4)。当時としては結婚できないことより、結婚しても子どもがないことのほうが辛かったようです。仮にペニンナの方が若く、多くの子供が与えられていた のなら、ハンナの女性としての焦りは相当なストレスとなっていたことでしょう。それでもエルカナがハンナに子どもが生まれないからといって、つらく当たるようなことはありませんでした(8)。ハンナの心から絞り出すような苦しみの中の祈りに主は目を留められました(11)。この話がサムエルが生まれるまでの物語です。サムエルはナジル人として、頭にかみそりを当てることのない人だったのです(11)。やがてサムエルはサウルとダビデという2人の王に油を注ぐ預言者となるのです。