1サムエル記14章 民はヨナタンを救った

1サム14:45「すると民はサウルに言った。「このような大勝利をイスラエルにもたらしたヨナタンが死ななければならないのですか。絶対にそんなことはありません。主は生きておられます。あの方の髪の毛一本でも地に落ちてはなりません。神が共におられたので、あの方は、きょう、これをなさったのです。」こうして民はヨナタンを救ったので、ヨナタンは死ななかった」
サウルが神に伺ったのは、祭司からの助言があったからです(36)。しかも、それまでは祭壇でさえ築いたことがなく、民の罪をみてようやく祭壇を築く気になったようです(32-35)。それというのもサウルがわけのわからない誓いを民に押し付け、食べることを禁じたのが原因です(24)。何かちぐはぐなサウルの決断に民は 振り回されています。くじでヨナタンがより分けられ、自分の誓いを破っているのを知った時も「おまえは必ず死ななければならない(44)」と戦勝の功労者を殺そうとする始末です。民の方が戦況の状態をよく知っていたため、ヨナタンを弁護し死なせることはありませんでしたが、サウル本人の状況の掌握の仕方はお粗末としか言いようがありません。ダビデには三勇士と呼ばれる戦士や勇者たちが集まってきましたが(2サム23章)、サウルの場合は勇気のある者や、力のある者を見つけて召し抱えています(52)。ここにも王としての資質の違いが見て取れます。今回民に救われた息子ヨナタンは賢く、勇気があり、ダビデ大親友となっています(18:1)。父サウルは背が高く格好は良かったですが(9:2)、判断力に欠けていました。