1サムエル記25章 若者のひとりが

1サム25:14「そのとき、ナバルの妻アビガイルに、若者のひとりが告げて言った。「ダビデが私たちの主人にあいさつをするために、荒野から使者たちを送ったのに、ご主人は彼らをののしりました」」
ナバルの下にも常識を持ち、ダビデの行為に報いるべきだと考える者がいたようです。聖書には「ご主人はよこしまな者ですから、だれも話したがらないのです(17)」とあります。この名も残されていない若者がアビガイルに訴えなければ、アビガイルもダビデに会いに行くことはなかったでしょう。おそらく若者はダビデが400人と共に武装してやってくることを知ったのだと思います(13)。400人と言えば、ダビデの家来600人の7割に当たる人数です(23:13)。ダビデもかなり本気でナバルの言ったことに腹を立てていることがわかります。それはダビデ自身が羊飼いであり、羊はすぐにライオンや熊に狙われることを知っていたため(17:34)、いかに4000頭(3)の家畜を守ることが大変かを理解していたことと関係しています。若者は「昼も夜も(16)」という言葉を使い、ダビデたちの警備が24時間体制で行われていることをアビガイルに告げます。この若者の訴えに聡明なアビガイルは(3)、何をすべきかを瞬時に悟ったのです。彼女は言葉使いにも気を付け、ダビデは彼女に感銘を受けます(33)。