1サムエル記23章 あなたのしもべにお告げください

1サム23:11「ケイラの者たちは私を彼の手に引き渡すでしょうか。サウルは、あなたのしもべが聞いたとおり下って来るでしょうか。イスラエルの神、主よ。どうか、あなたのしもべにお告げください。」主は仰せられた。「彼は下って来る」」
この次にケイラの人たちはダビデをサウル引き渡すかどうかを尋ね、「彼らは引き渡す(12)」と応えられています。あたかも会話をしたようなこのダビデと主とのやりとりは、決して言葉を交わしたわけではありません。このやり取りの秘密を解く鍵は、ダビデが祭司エブヤタルにエポデを持ってこさせたことにあります(9)。エポデがあるということは胸当てもあったはずです。エポデと胸当てはセットで着るようになっていたからです(出28:28)。そして 胸当てにはウリムとトンミムという石が入れられ(出28:30)、主の判断を仰ぐときに使われました(民27:21)。おそらくダビデもウリムとトンミムを使って主の判断を仰いだと思われます。それは、ダビデの尋ねた質問が2者択一の形式だったからです。ダビデは主の前にへりくだり「彼らは下ってくるでしょうか?(11)」と尋ねた後、エポデ(胸当て)から、ウリムあるいはトンミムを取り出して主の意向を仰いだのです。また、ダビデが神の箱を自分の町に運ぶ時にも、亜麻布のエポデをまとっていたとあります(2サム6:14)。ユダ族のダビデには本来着る資格はありませんが、主に仕えたいという情熱は神に受け入れられ、罰せられることはありませんでした。