1サムエル記28章 あなたの友ダビデに与えられた

1サム28:17「主は、私を通して告げられたとおりのことをなさったのだ。主は、あなたの手から王位をはぎ取って、あなたの友ダビデに与えられた」
このとき初めて王位がダビデに与えられることが告げられます。サムエルは生前サウルに王位は「あなたよりすぐれたあなたの友に与えられました(15:28)」と言っていますが、具体的にダビデだとは言っていません。しかし、ヨナタンダビデが王になることを察しており、彼の言葉の中に「私の父サウルもまた、そうなることを確かに知っているのです(23:17)」というものがあり、サウルも薄々感づいていたようです。もしペリシテ人が陣を敷いたときに、まだサムエルが生きていたならサウルはサムエルにどうすべきかを尋ねたでしょう。サウルは預言者頼りで、自ら主に尋ねることはなかったのです。聖書にはアマレクの一件で怒ったサムエルは、死ぬ日まで二度とサウルを見なかった…とあります(15:35)。サウルがサムエルに再会したのはサムエルの死後でした。しかもそれは主の忌み嫌う霊媒によっての再会でした(14)。サウルが最も恐れたのは「主はあなたから去り、あなたの敵になられた(16)」というサムエルの言葉でした。神を信じる者にとってこれほど恐怖な言葉はないと思います。サウルが倒れ棒のようになったのもうなずけます(20)。